ツラの皮




注目を集めているのはどうやら写真のようで。


怪訝に思いつつズカズカとそこに近づいて写真を奪い取った俺は、それを見て怒りにブルブルと震えた。


顔が、更に赤くなっていくのが分かったが、恥ずかしさなのか怒りなのか判別つけがたい。





「タチバナ――――――――――――ッ!」





被写体は俺だった。


散策道で鈴とやりあった時の。


どうやらあの時、タチバナが傍にいたらしい。


場所的なものから推測するに、尾瀬監督と一緒にいたのかもしれない。








愛おしくて、受け入れてもらいたくて、どうしようもないほど焦ってうろたえる恋に堕ちた無様な男の顔。


信じてもらえないことが歯痒くて、
腹を立てながらも、
取り縋るような。




その表情は










――――――――切ない、だ。




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