ツラの皮
不安で見上げようとした途端、ぐいっと引き寄せられた。
「コイツが二股とか、んなまどろっこしい事するかよ。万が一そんな状態に陥ったとしてもコイツなら『二股します』とかバカ正直にぺろっというタイプだろ。」
…なんだろう。
隠し事も出来ないバカとか言いたいんだろうか。
……まぁ、デキナイけど。
「それに」と、高遠が鼻で笑った。
「さっきアンタコイツに殴られそーになってたしな。」
察するトコロ、一方的に迫っただけだろ、と。
御明察。
………てか、
分かってたなら、なんだってあんなに怒ったのよ!!!
「アホかっ。自分のオンナが他の野郎とキスしてる現場見て余裕かますほど俺は平和ボケしてねぇんだよ!」
「いた~い!!」
頭を叩かれた。
口にしたワケじゃないのに、何故か高遠には文句が伝わったらしい。