たとえ愛なんてなかったとしても
「うーん......、ほら、私って守備範囲広いから」



一応相手は選んでると言えば、選んでる。

妻子持ちとか口の軽い人、後々面倒になりそうな人は避ける、とか。


それから、できればイケメンで高身長がいいけれど、特にどういうタイプが良いっていうこだわりはないかもしれない。


スポーツも何でもそうだけど、守備範囲狭いよりは広い方がいいんじゃない?



「......ですよね!そういうオチだと思ったよ。

守備範囲広いって、それを世間では節操がないって言うの!

守備範囲が広いのは野球だけで十分だよ!」



ますます言い合いが白熱する中で、紙の引っ張りあいを続けた結果、ついに半分に破れてしまった。


もう何回も見てたからルームナンバー覚えちゃったけどね。


俊輔は残りの半分を私の手から奪い取り、まだ疑惑の目で私を見ていた。



「そんなに疑うんなら、俊輔の部屋に行こうか?」


「うえ!?そ、それは困る!

......やっぱりきて。
その、あー......、俺がキャシーにきてほしいんじゃなくて、ヨンウンさんが心配だから!」



ようやくお互いに納得のいく形になり、一度部屋に戻ってシャワーを浴びてから俊輔の部屋に行く約束をした。



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