たとえ愛なんてなかったとしても
「では、報じられているような義理のご家族との確執はないということでよろしいですか?

一部では家に居づらかったエリックさんが家出同然で、家を出たと言われていますが」


「かく、しつ......?
......ああ。

皆様が思われているようなトラブルは一切ありません。
家出同然ではなく、僕は芸能界を目指すために家を出ただけです」



確執の意味を隣のマネージャーに聞いてから、質問に答える。

実際にはほぼ世間の推測通りだが。



俺は三才の時に、中国人の生みの親が離婚したことによって、今の義理の親と養子縁組をした。


義理の母は、アメリカ人の男性と国際結婚をしていたが、長い間子供ができなかったので、遠い親戚の生みの母の産んだ俺を引き取ったらしい。


まだ幼かったので、生みの親の記憶はほとんどない。

ぼんやりと覚えていることは、預けられた当時、いい子にしてないとまた捨てられるかもしれないと怯えていたことだけだ。


再婚する時に子供がいたら不利になるからとか、世間体が悪いから養子に出したと、義理の親からは聞いている。

早い話が、俺がいらなかったんだろう。






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