たとえ愛なんてなかったとしても
「好感度を上げるために、家庭の事情も利用するってこと?
それって、ちょっとどうなのー?」


「いや、利用というか......。この業界、イメージが大切なんだよ。
いったん悪いイメージがつくと挽回するのも難しいから、だから、分かってほしい。

何らかのパフォーマンス見せとけば、世間も納得するだろうから。

裁判沙汰になったけど、結局はエリックを思ってのことで、子を大切に思わない親はいないという方向にもっていきたいんだ」



英俊の言葉にマネージャーも怯んだが、決定事項のようで止める気はなさそうだ。

マネージャーの独断じゃなくて、事務所の意向で決まったことだろうし、結局は従うしかない。


安っぽいお涙頂戴の展開でも、マネージャーの言うように何らかのパフォーマンスがあった方がいいのだろう。


泥試合演じて銭ゲバ一家の一員と思われよりは、複雑な事情はあるけれど親孝行な息子、の方が印象が良いことは分かる。


あんなやつをお母さんとは死んでも呼びたくないが、そちらの方がメリットが大きいのなら、少し我慢すれば済むことだ。


納得して、了承しようと口を開く。
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