たとえ愛なんてなかったとしても
ストレスたまるなぁとぐだぐだ考えこんでいたら、テーブルの下の手を正面にいたキャシーにきゅっと握られた。

やめろよという意味を込めて、真正面のやつをにらめば、余裕たっぷりに笑われる。


こんなところでやめてくれよ......。
ミヒにばれたら、後で何を言われることか。

困るならはっきりそう言えばいいんだけど、結局俺はキャシーに強く出れない。


エリックさんの言う通りなんだ。
俺がいつまでもミヒにもキャシーにも、どっちつかずだから、こんな状態になっている。

図星だったから、よけいあの時は腹が立った。


エリックさんに押し付けようとしたわけじゃないけど、やっぱりミヒは、エリックさんと付き合えるのならそっちの方がいいとは思った。

でもそれもおかしいよな。
仮にも、ミヒは俺の彼女なのに。
本当なら俺の彼女に手を出すな、ぐらい言ってもいいぐらいなのに。


ミヒのことが嫌いなわけじゃない。
困ったところもあるけど、優しいところもあるし、いつも一緒にいてくれて......好き、だとは思う。

でも彼女っていうよりも、むしろ妹みたいな.....。いや何か不満があるわけじゃないけど。

いやいや......。


< 453 / 559 >

この作品をシェア

pagetop