たとえ愛なんてなかったとしても
「え......そう?
かっこよかった?

よし!たくさんヘビを捕まえて、みんなに認めてもらうぞ!」



かっこいい、という言葉に顔をゆるませて、急にやる気を出した俊輔。

......単純。


なんだかがんばる方向が違うような気もしたけど、せっかくやる気になっているので、そっとしておくことにした。





「がんばるのはいいとして、とりあえず空港につく前に入国審査の紙書かなきゃな。

これもってて」



俊輔は、カバンからペンを取りだそうと私に入国審査の紙を渡し。

さらに、半分くらい水の入ったコップを渡そうとしたその時。


絶妙なタイミングで飛行機が揺れて、受け渡しに失敗。

入国審査の紙は使い物にならないくらいに濡れ、私は頭から水をかぶってしまった。
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