Second Secret
もしそうだとしても、今この状況で帰るなんて言い出せるわけもない。

よく考えたら、来なくてもいいと言われた人に会わなきゃならないなんて酷なことだ。


「そんなとこ突っ立ってないで部屋入れば」


電気の付いてない廊下、小さめの窓からの光で明るさを保ってる。

無表情の先生と、怒ってる私と、泣き出しそうな佐伯くん。


感情のない言葉を吐き出した先生は、そのまま部屋へ戻っていく。

立ち尽くしたままの佐伯くん、きっと動けないでいるんだ。

このまま部屋へ入っていって、何を言われるか、何を言おうか、きっとそんなことを考えてる。


この状況で、先輩として、なんて言っていいのかはわからないけど、私ができることは。

佐伯くんの手を握って、大丈夫って言ってあげること。
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