Second Secret
入社動機がどんなものだとしても、今頑張って仕事を覚えようとしてる佐伯くんは、会社の立派な社員であって。

別に、先生に会いたいからこの仕事を選んだわけでもなくて。

ただ、早く一人前になりたくて必死なだけなのに。


それを知らずに、どうしてそんな風に思えるの。


佐伯くんが驚いて言葉が出ないのをいいことに、先生は畳み掛けるように続ける。


「憧れの作家に会って、幸せだとか思ってた?なんなら写真でもサインでも何でもしてやるよ。ほら、ケータイ貸せ」

「先生!いい加減にしてください、酷すぎます!」


私の制止を振り切って、先生は佐伯くんのポケットからケータイを奪った。

唖然としている佐伯くんは、もはや固まってしまっている。


「ほら、笑えよ」


そんな残酷な言葉をかけた直後に、部屋にはシャッター音が鳴り響いた。

そのまま、机の上に置いてあった適当な紙にサインをして、ケータイと共に佐伯くんにふわりと投げた。
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