蒼碧
「お前は家にいなかっただろ」


「だって、大学に行ってたもの。こんな暇な女とは違うの」


「安芸だって、高校生だろ」


「あら?お兄様はご存知じゃなくて?」


「雅、とにかくどけ」



私を庇うように腕の中にしまったまま、遙お兄様の部屋へと歩き出す。



「お兄様、安芸は、高校なんていってないわよ」


「……なに?」



お兄様は、ゆっくりと雅お姉さまの方に振り向いた。
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