恋愛指導は秘密のくちづけで
「どうした?」


「どうしてこんがらがっちゃうんですかね」


「ん?」


「自分でもよく……わからなくて」


言葉にすればするほど、声がかすれ、目から大粒の涙があふれ出した。


「どうにかなる問題じゃ……ないんですけど」


「力になれないか」


力強い塚越先生の言葉に息をのんだ。


「だって、先生には大切な人がいるんでしょう」


「……そうだけど、だけど。おまえが苦しそうだから助けてあげたい。高校のときからずっと心の中にため込んできたんだろう」


冷たくなりつつある心の中があたたかいものに触れて溶け出していくようだった。
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