恋愛指導は秘密のくちづけで
パンフレットの部数を数え終えて、各高校宛てのボックスに入れ終え、佐伯さんや近藤さんから頼まれたパソコン入力を終えてから終業時間になった。


万里くんの姿はなく、自分のカードを入れたタイムレコーダーからは乾いた音を立てていた。


着替えを済ませ、通用口のドアノブに手をかけた。


ようやく外の世界の空気を吸うことができる。


そっとドアを一旦開けてみた。外には誰もいない。


ドアを閉め、後ろを振り返り人気のないことを知ると、バッグの中の赤いふちのメガネを取り出す。


もう一度通用口のドアを開こうとしたときだった。
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