溺愛マリオネット

これが私の全てだった。
いや、正確には私が知る記憶の全てだった。


なぜ引き離されたのかは分からない。
ほんとに最後のピースを握ってるのは冬馬さんか結愛。


「とーまおにぃちゃんだったんだ・・・・・・・・」


ゴトン!

そう呟いた直後後ろから缶が落ちたような鈍い音が響いた。


振り向いた先には私の好きな缶ジュースを落とし、焦り顔の彼が居た。

「お、まえ、とーまおにいちゃんって…」


今までされた事忘れてしまうぐらい再会が嬉しかった。
それほど彼は私にとって大きかった。

「10年ぶりだね…とーまおにいちゃん」
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