溺愛マリオネット
「ちがっ!違うの冬馬さん!私貴方を知ってる…」
そう言ったら冬馬さんは持ち上げていた金属バットを落とし、混乱した表情を浮かべた。
「何を言ってる…・・・」
目を合わせないようになのか私に背を向ける彼。
「ハッキリは分かんない…でも幼少期時代に会ってる…ねぇ…冬馬さん…冬馬さんは全部知ってるんでしょ…」
背を向けた彼の正面に立ち言い放った。
不意に見えた彼の表情は本当に苦しそうで、泣きそうで。
私まで胸を締め付けられた。