聴かせて、天辺の青

和田さん達が朝食を終えて部屋へ戻った後、おばちゃんと海棠さんと私の三人で朝食を頂く。紗弓ちゃんと小花ちゃんは、まだ起きてこない。



今日は休日だから、部屋の掃除は和田さんたちにお任せ。今頃は部屋でゆっくりと寛いでいると思うから、後で共用部分だけ掃除しなくては。



いつもより食事はスローペース。点けっぱなしになってるテレビから流れるニュースを観ながら、おばちゃんとたわい無い会話をして。



海棠さんは黙々と食べて進めてる。
時々おばちゃんが話を振ると快く返事をして、にこやかに笑ってる。



ずっと、海棠さんが笑っていてくれたらいいな。と、願わずにはいられない。



おばちゃんとの会話が途切れたところで、いきなり海棠さんが振り向いた。目を逸らす間もなくて、私はあたふたするばかり。



わざとらしく茶碗を取り上げて、箸を握り直して照れ隠し。
そんな私を見て、彼は目を細める。



「あのさ、今日フリマがあるって言ってただろ? よかったら行かない?」



彼の笑みを含んだやわらかな声に、ほっとしてしまう。焦りが消え去ってく。



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