ベストマリアージュ
「だ、だって!

全然ここに呼んでくれないし、だから……

浮気してるんじゃないかって……思っちゃって……」


恥ずかしい。


まるで私のがさとしを好きみたいに聞こえちゃうじゃない。


ここにも、来たかったって言ってるようなものだ。


カーッと顔が熱くなって、自分が赤くなってることを自覚して俯いた。


追いかけてきてくれたことも、ちゃんと弁明してくれたことも嬉しかったのに……


それだけ自分が思ってるよりずっと、さとしのことが好きなんだって気づいて怖かった。


さとしが立ち上がった気配がして、体がビクッと震える。


私より若くて、見た目も悪くないからさとしはきっとモテるはずだ。


セフレとかもいたくらいなんだから、今までもたくさんの女性と付き合ってきたんだろう。


だから、なんで私?って思わない訳じゃなかった。


彼女って言ってくれて、大地に嫉妬してくれて……私は今まで少しだけ安心してたんだ。


私じゃなくてさとしの方が自分を好きなんだって。


それがもし崩れたら……


私の方がさとしを好きになっちゃったら……


大地との過去が私を臆病にさせる。


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