ごめんね。
ブランコの揺れを少しずつ止めた。
「大人になってからさ、周りを見る余裕もできて、行動できる範囲も増えた」
「うん…?」
いきなり何だろう?
隣のブランコに座っている彼を見つめる。
彼もまた、隣に座っている私を見つめる。
「結衣と会うまで7年も掛かった」
「え?」
どういうこと?
「なぁ、結衣。もうその“ごめんね”やめろよ」
「え…」
「“ごめんね”より“ありがとう”を口癖にしろよ」
「ありがとう…?」
「うん。何かをしてもらって“ごめんね”より“ありがとう”を言えよ。
言われる相手はきっと“ごめんね”より何倍も嬉しいから」
「……」
「あの時この言葉を言えば良かったのに俺、自分の気持ちでいっぱいいっぱいで言えなかったんだ。
だから、また会えた時絶対この言葉を言おうって考えてたんだ」
彼はゆっくり立ち上がって私の目の前に来てしゃがんだ。
距離が縮んで目線が同じになる。