ごめんね。


ブランコの揺れを少しずつ止めた。



「大人になってからさ、周りを見る余裕もできて、行動できる範囲も増えた」


「うん…?」


いきなり何だろう?

隣のブランコに座っている彼を見つめる。

彼もまた、隣に座っている私を見つめる。



「結衣と会うまで7年も掛かった」


「え?」


どういうこと?


「なぁ、結衣。もうその“ごめんね”やめろよ」


「え…」


「“ごめんね”より“ありがとう”を口癖にしろよ」


「ありがとう…?」


「うん。何かをしてもらって“ごめんね”より“ありがとう”を言えよ。

言われる相手はきっと“ごめんね”より何倍も嬉しいから」


「……」


「あの時この言葉を言えば良かったのに俺、自分の気持ちでいっぱいいっぱいで言えなかったんだ。

だから、また会えた時絶対この言葉を言おうって考えてたんだ」



彼はゆっくり立ち上がって私の目の前に来てしゃがんだ。

距離が縮んで目線が同じになる。

< 17 / 24 >

この作品をシェア

pagetop