君の瞳に囚われて(加筆・修正しながら更新中)


祭壇の前で跪いたら、体が金縛りにあったかのように動かなくなってしまった私の体。

他の人達には祈りを捧げているようにしか見えなかったと思う。


どんなに力を入れても、指一本すら動かす事が出来なくて……

違和感を感じた時には、既に背後にいた男。


刺された瞬間に感じたのは剣の冷たさと、体を突き抜けた時の傷口の熱さ。


あぁ、刺されたんだ……と認識したら指の先から血の気が失せる感覚が一気に襲ってきた。

そして、薄れゆく意識に飛び込んできたのはロックがドラゴンと対峙している映像だった。


<ロック!!!>


刺された事よりも、その映像の方が私の背筋を凍らせた。

エンシェント・ドラゴンではなかったけれど、かなり大きな火竜が相手では無事では済まない筈。


<お願い、シエル!ロックをドラゴンから助けて……>


自分の意識が途切れる直前にシエルに助けを求めたけど、ちゃんと届いたかな……

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