【完】うしろの席のオオカミさん
コツコツとヒールを鳴らせてこちらに歩いてくる女の人。
手を振りながら近づいてくる。
「お姉ちゃん!」
「ただいま。今日はバイトないから真っ直ぐ帰ってきたよー」
わたしの姉、桃子(ももこ)であった。
女子大に通ってるお姉ちゃんはわたしと二つしか年は離れていない。
バイト三昧な日々を送るお姉ちゃんが夕飯の時間に帰ってくるなんてめずらしいことなのだ。
「んん?日向子の彼氏くん?」