【続】隣の家の四兄弟

「ただいま! 美佳とチハル拾ってきた!」
「えぇ!」


私とチハルの存在をいともたやすく口にした三那斗の背中に、驚きの声を漏らしてしまった。
すると、三那斗はぐりんと顔を回し、「なんだよ」と逆に言い返す始末。


「や!だって、私たち別に約束してなかったし……」
「はぁ?いつも約束なんかしてねぇよーなもんだろ。それに、なんの用もないんだろ?」
「う……。ま、まぁ……そう言われると……そう、なんだけど……」


だけど、なぜ急にこんな展開にさせられなきゃなんないの。

いつもならこんなに二の足を踏むようなこともないのに、今、それをしてしまってる理由。
そんなの、ひとつだけ。
聖二とアキラの並んでるところを見たくないからだ。


「でも、お昼まだだし!」
「それ、ウチで食えばいーじゃん」


三那斗が即答でチハルの手のものに視線を移しながら言う。
チハルは無言でその袋を上に少し持ち上げ、肩を上げながら私に小声で言った。


「……仕方ないネ」
「し、仕方ないって……でもなんで」


なんで三那斗は今日はここまで強引なのよ!

そう思ってたら、チハルがさらに付け加える。


「ぼくと美佳がふたりでいるのが嫌なんだよ、きっと」


それを聞いて三那斗を振り返ると、確かにそういうオーラを出していて納得した。
肩を落とし、覚悟を決めねばなるまい、としたときに、奥からあの人がやってくる。


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