【続】隣の家の四兄弟
「なにしてるの?いつまでもこんなとこにいて!チハル!早く上がったら?」
「アキラの家じゃないだろ」
「そうね。ま、でも細かいことはいいじゃない」
今日も素敵で大胆なレース柄をあしらったワンピース。
こんなインパクトあるものを、服に負けずに着こなせるってすごい。
私はと言うと、ショートパンツに、ただクローゼットの手前にあったゆるめのトップスを着てきただけ。
些細なことで、いちいち自分と比べてしまう。
ブロンドの綺麗な髪を靡かせて、「ふふっ」と楽しげに笑うアキラを素直に見られない。
「ただいま。あー腹減った!」
「おかえり、三那斗。チハルも美佳ちゃんも、いらっしゃい」
三那斗に続いておずおずとお邪魔すると、椅子から立ち上がったばかりらしい浩一さんが、いつもの優しい笑顔で迎え入れてくれた。
その笑顔にほんの少しホッとする。
でも、それも束の間。
ソファに座る、アイツの後姿を視界に捕らえてしまったから。
「Ciao!コウー。ミナトに邪魔されたよー」
「邪魔?」
「人聞き悪いな!たまたまだ、たまたま!」
チハルが浩一さんにすり寄るように言ってるところに、三那斗が牙をむきながら割り込む。
その様子を遠くからアキラが見てるけど……聖二はさっきから全然動かない。
アキラの後ろにいた私は、こっそりと聖二の顔が見える位置に移動する。
最高潮に緊張しながら覗きこんだ顔は、『もしかして』と思っていた通りの顔をしていた。