【続】隣の家の四兄弟
「いーよ」
その声にゆっくりと目を開ける。
ぱちぱちと瞬きをして、大きな鏡に映る自分と目を合わせる。
「どう?やっぱり素がイイ年頃だし、ナチュラルにしてみたんだけど」
徐々に前傾姿勢になっていき、自然と鏡の中の自分に引き込まれる。
間近で見ても、自分なのに自分じゃないみたい……。
あ。つけまつげ。もっと〝つけてます〟感が出るものだと敬遠してたけど、そんなこと全然ないし。すごく自然。
あ……眉毛もこんなふうに仕上げると、こういうふうに柔らかい印象になるんだ。
「あ。あと髪、簡単にやってもいい?」
「あ……は、はい」
鼻歌混じりにその人はコンセントにさしたヘアアイロンを、器用に使って短時間でヘアアレンジをする。
「か、髪の方も出来るんですね」
「んー?まぁね。髪型とメイクはひとつだと思ってるから。メイクを思い通りにしてあげても、髪型がイメージと違うっていうのがヤでねー」
くるくるとサイドの髪を巻きながら、流暢に話をする姿はよく見る美容師さんと同じ。
でも、仕上がった自分をみてこの人の言ってることがわかった気がした。
「わぁ……かわいい……」
メイクの雰囲気と髪型がぴったりと合ってるのがなんとなく素人の私でもわかる。
「素材がイイんじゃないかな」
「え!!」
はっ!じ、自分で「かわいい」とかって、自意識過剰なこと言っちゃったよ!
自分がかわいいとかそういうんじゃなくて、変わった私がかわいく見えただけであって!
あくまでも、〝今の私〟なわけで!!