【続】隣の家の四兄弟

――誰だろう。

ディスプレイを見ると、【浩一さん】と出ていて慌てて出た。


「もしもしっ」
『あ、美佳ちゃん?ごめんね突然』
「いえ……どうしたんですか?」
『いや、この間チハルが家に来たときに着替えとか置いていったままだったんだけどね。それを知らせようと電話したんだけど、携帯に繋がらないんだ』
「あ……」


その電話口の浩一さんの雰囲気から、チハルがもう帰ってしまったことを知らないんだと思った。

私の何とも言えない感じが浩一さんにはすぐに伝わってしまったらしく……。


『え……?なんかあったの?チハル、まだ帰って来て……っていうかまさか』


浩一さんが張り詰めた声で言う。
私はそれに対して、すぐに声を出すことが出来なかった。


『美佳ちゃん……?』
「……はい」
『今からおいで』
「……はい」


ピッと通話が切れる。

浩一さんは気を遣ってくれたんだ。
私がひとりで淋しい思いをしている……って。

私はいつからこんなに淋しがり屋になったんだろう。
今では浩一さんも三那斗も孝四郎くんも。

聖二も隣にいてくれるのに。

だけど、チハルはチハルで代わりなんていないから。


突然の別れと、ゆっくりと送りだすことが出来なかったことに、余計にこんな気持ちになってしまってるのかもしれない。

浮かない気持ちのまま、隣へと足を向ける。
インターホンを鳴らすとすぐに、浩一さんが出迎えてくれた。

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