【続】隣の家の四兄弟

一斉に同じ方向を見る。

ここにいない人は聖二だけ。
でも、聖二にしては時間が早すぎない?だけど、それ以外の人だったらまずはインターホンを鳴らすよね……?

玄関から姿を現したのは……。


「……あ?随分今日は静かだな」


少し驚いた目を私たちに向けて言った聖二は、一人なにも知らない中でいつも通りだ。


「せ、聖二。今日は早いんだな」
「たまには」


浩一さんとのやりとりを、ついジッと見てしまっていると、聖二が私の視線を怪訝そうな顔で受け止める。


「……なんだよ、さっきから」


それは私だけじゃなかったようで、三那斗や孝四郎くんも同じ視線を向けてたみたい。
聖二はみんなを見回して言うと、孝四郎くんが答える。


「いや、だって聖二にぃタイミングが良すぎて」
「は?」
「聖二兄、普段こんな時間に帰ってこねぇだろ?オレらてっきり……」


〝チハルかと思った〟


ここの部屋にいた全員がそう思ったんだと思う。
私たちの視線を一斉に受けた聖二は、ますます面白くない顔をする。


「『てっきり』、なんだよ?」
「……チハルかと思ったんだ」


そうして浩一さんがゆっくりとそう言った。
その言葉に、聖二は目を見開いて浩一さんを見た。


聖二でも驚くよね。
浩一さんの雰囲気でチハルは居ないってわかったんだ、きっと。


私は勝手に一人でそう解釈した。
それは三那斗や孝四郎くん、浩一さんも同じはず。

だけど――――。

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