【続】隣の家の四兄弟
「チハル?なんで」
どうやら聖二は意外にも鈍いようで、ピンと来てないようだ。
私が席を立って聖二に向き合うと、聖二はきょとんとした顔をする。
なんだか言いづらい話だけど、言わなければならないことだから。
決心した私は、聖二の目を真っ直ぐに見て言った。
「聖二。チハルは……もう、いないの」
「……いない……って」
驚いた顔で、不思議そうな声を出す聖二から目を逸らし、私は俯く。
このあとどういう言葉を繋げたらいいのかわからなくて口を閉ざしていると、正面の聖二から思わぬことを聞いた。
「お前んちにはいない、ってことだろ?」
……は?
いや、そりゃ、イタリアに帰ったんだから、私の家にいないってことでは間違いないけど。
だけど、なんかちょっと微妙な言い方じゃない?
それだとまるで――。
「だってアイツ――……」
顔を上げたら聖二がぽかんとした表情で続けようとすると……。
「Ciao!セイジの姿見えたんだけど、追いつかなかったー!」
「え」
「へ?」
「はぁ?」
「……うそ」
その声に、思わず声を漏らす。
……聖二以外の全員が。