【続】隣の家の四兄弟

「あ。おじゃましまーす!追っかけててつい勝手に入ってきちゃった!」
「ち、チハル……?なんで!」


「ごめんごめん」と頭を掻いて笑う姿は紛れもなくチハル本人。
私も三那斗も孝四郎くんも浩一さんも。
みんな意表を突かれた顔でチハルを見る。

その異様な視線に気付いたチハルは、ぽかんとした顔でぐるりと私たちを見回すと口を開いた。


「……え?ドーシタの、みんな変なカオして」


どうしたの、って、それはこっちのセリフよ!

心の中では間髪いれずに突っ込めても、現実には声が出ない。
ただただ呆然としていると、後からまた玄関の開く音がした。


「チハルッ。いるんでしょ?!なに突然走ってるのよ!」


これはアキラの声だ。

再び玄関へと視線を向けると、やっぱりそこからはアキラが現れて。
もうなにがなんだかわけがわからない状態で、全員がそろってしまった。


「Hi,コウちゃん、みんな。あら、ミカも来てたのね?それにセイジまでいるじゃない!」


うれしそうに言うアキラを眺め、事の状況を整理しようと努力する。


「ちょ、ちょっと……待って」


こめかみを抑えて手のひらを正面に向けるようにして呟いた。
すると、聖二が言う。


「……まさか。チハルが帰ったと思ってたのか?みんな」
「だって!今僕たちはそうやって聞いたから!ねぇ?!」
「おう。なのに、そのチハルが急に現れっから……」


ぽつりぽつりと二人が答えると、最後に浩一さんが聖二に言った。


「聖二は、そうじゃないって知ってたのか?」

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