製菓男子。
「『土曜日のロリータ』とうわさされるだけはあるよな」
ミツキはツバサがすぎ去った自動ドアの先を見てしまりのない顔をしている。
「土曜日のロリータ? なにそれ」
あれは間違えることなく、僕の隣家の次男・高橋ツバサだ。
「おとといシンジが来てだな、土曜日の日だけに現れるロリータ服を着た女の子がいて、その子がめちゃくちゃかわいいと巷のうわさになっているって言ってな。それは高橋さまじゃないかってチヅルちゃんと話していたんだよ」
「いつ見てもかわいいですよね」
藤波さんの頬も芍薬のようなピンクの大輪を咲かせてうっとりしている。
「かわいい? アイツが?」
僕は耳を疑う。
どうみたって女装だ。
「宮崎さんはそう、思わないんですか?」
必死に同意を得ようと僕を見上げる藤波さんの瞳はうっすらと涙の膜が貼ってある。
これがデフォルトなのだが、いつでも僕はいじめている気分になる。
「思わない」
むしろ藤波さんのほうがカスミソウのようにかわいらしいと思うのだが。
「だって、男だよ」
ふたりが息を呑んでいる。
目も大きく見開いて、呼吸を忘れている。
ミツキはツバサがすぎ去った自動ドアの先を見てしまりのない顔をしている。
「土曜日のロリータ? なにそれ」
あれは間違えることなく、僕の隣家の次男・高橋ツバサだ。
「おとといシンジが来てだな、土曜日の日だけに現れるロリータ服を着た女の子がいて、その子がめちゃくちゃかわいいと巷のうわさになっているって言ってな。それは高橋さまじゃないかってチヅルちゃんと話していたんだよ」
「いつ見てもかわいいですよね」
藤波さんの頬も芍薬のようなピンクの大輪を咲かせてうっとりしている。
「かわいい? アイツが?」
僕は耳を疑う。
どうみたって女装だ。
「宮崎さんはそう、思わないんですか?」
必死に同意を得ようと僕を見上げる藤波さんの瞳はうっすらと涙の膜が貼ってある。
これがデフォルトなのだが、いつでも僕はいじめている気分になる。
「思わない」
むしろ藤波さんのほうがカスミソウのようにかわいらしいと思うのだが。
「だって、男だよ」
ふたりが息を呑んでいる。
目も大きく見開いて、呼吸を忘れている。