製菓男子。
「ゼンはこのあとどうする?」
「どうするって、明日の準備するけど」
「明日は混むかな?」
ミツキが意地わるく笑う。
僕がまだ和菓子店を気にしていると思っているのだろうか。
「さぁ」と答えると、つれないなぁとミツキは肩をすくめた。
「ねえ、いつ教えてくれるの?」
「なにをだ?」
ミツキは厨房の片づけをはじめた。
まるで自分が使っていた痕跡を消すようにしてから、いつでも僕に引き渡してくれる。
「藤波さんの秘密」
ミツキの、その背中に投げる。
「“まだ教えてやんないよ”って言ってたでしょ?」
そんなことをミツキが言ったのは一ヶ月前、ヒロヒサが初めて来店したときのことになる。
藤波さんはここで働く前、ずっと家に引きこもっていたニートだった。
もちろんヒロヒサとの接点はまったくない。
それにも関わらず初見で彼の悩みを見抜き、言い当てた。
そして今度は、僕の悩みを、正確にはツバサの悩みを言い当てようとしている。
僕の脳裏にはくっきりと、女装をしたツバサの、気落ちした足取りが浮かぶ。
「本当に占い師? 手に触れたがらない理由は、それ?」
「どうするって、明日の準備するけど」
「明日は混むかな?」
ミツキが意地わるく笑う。
僕がまだ和菓子店を気にしていると思っているのだろうか。
「さぁ」と答えると、つれないなぁとミツキは肩をすくめた。
「ねえ、いつ教えてくれるの?」
「なにをだ?」
ミツキは厨房の片づけをはじめた。
まるで自分が使っていた痕跡を消すようにしてから、いつでも僕に引き渡してくれる。
「藤波さんの秘密」
ミツキの、その背中に投げる。
「“まだ教えてやんないよ”って言ってたでしょ?」
そんなことをミツキが言ったのは一ヶ月前、ヒロヒサが初めて来店したときのことになる。
藤波さんはここで働く前、ずっと家に引きこもっていたニートだった。
もちろんヒロヒサとの接点はまったくない。
それにも関わらず初見で彼の悩みを見抜き、言い当てた。
そして今度は、僕の悩みを、正確にはツバサの悩みを言い当てようとしている。
僕の脳裏にはくっきりと、女装をしたツバサの、気落ちした足取りが浮かぶ。
「本当に占い師? 手に触れたがらない理由は、それ?」