製菓男子。
藤波さんは極端に人の手に触れない。
お客さんとの金銭授受も徹底的にカルトンを使うし、物を手渡しするときも端の方を必ず持つ。
ミツキや藤波、そして荒川も彼女の手を避けるように触れる。
万が一触れると数十秒間制止し、悪寒を全身で感じるようにガタガタ震えだすこともある。
接客も中止になって、ミツキが庇う姿も見かけたことがある。
藤波さんは過去にいじめられていたことも、変質者に襲われそうになったこともあるのも知っている。
だから対人恐怖症になって家にこもっていたと、当初は思っていたのだが―――――それ以外にも「なにか」がある。
それが引っかかって、藤波さんのことを考えるともやもやして、悶々とする。
「このままだと、影響出そう」
ミツキは僕が、気分屋だということをよく知っている。
ミツキは「それは困るなぁ」と口もとを歪めた。
「ゼン、そう思うなら、ちったー顔に出せって」
「それは無理。いつもこの顔」
表情はほとんど変わらないが、その代わり気分が作ったものに出てくる。
だからいつもミツキは、僕が作りやすい環境を整えてくれる。
お客さんとの金銭授受も徹底的にカルトンを使うし、物を手渡しするときも端の方を必ず持つ。
ミツキや藤波、そして荒川も彼女の手を避けるように触れる。
万が一触れると数十秒間制止し、悪寒を全身で感じるようにガタガタ震えだすこともある。
接客も中止になって、ミツキが庇う姿も見かけたことがある。
藤波さんは過去にいじめられていたことも、変質者に襲われそうになったこともあるのも知っている。
だから対人恐怖症になって家にこもっていたと、当初は思っていたのだが―――――それ以外にも「なにか」がある。
それが引っかかって、藤波さんのことを考えるともやもやして、悶々とする。
「このままだと、影響出そう」
ミツキは僕が、気分屋だということをよく知っている。
ミツキは「それは困るなぁ」と口もとを歪めた。
「ゼン、そう思うなら、ちったー顔に出せって」
「それは無理。いつもこの顔」
表情はほとんど変わらないが、その代わり気分が作ったものに出てくる。
だからいつもミツキは、僕が作りやすい環境を整えてくれる。