製菓男子。
熱で弱っている兄に絶好の復讐の機会だと思ったものの、全快したときの仕返しが恐いので今回はやめておこうと思う。
なにせ仕返しの仕返し、返り討ちは「全快祝い」という名前になってやってくるからだ。


「(難易度がとてつもなく高い)オペラケーキを作れ」(チヅル小五・兄高一)
「(オレの)課題をやれ」(チヅル中一・兄高三)
「(オレに)ラブレターを渡した女性たち全員に断りを入れろ」(チヅル高一・兄大三)


わたしにとって無茶無理難題をことごとく兄は病気になるたび突きつけた。
そんな理不尽な経験を思い出しただけで、身震いがする。


「はいはい、連れて行ったらいいんでしょー!」


押し潰されそうになりつつも、兄を自室まで運んだ。
すると兄は突然「ジャンプ買って来い」と言って睨んできた。
寝かせたベッドの角に頭部がごちんと当たってしまったせいかもしれない。
不可抗力なのに。


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