製菓男子。
(思うだけなら簡単なのに)


わたしは今、塩谷さんを頼っている。
こんな頼り方はいけないし、頼り方にも方法があるのだと思うけれど、甘えてしまう。
塩谷さんの心のうちはわからないけれどいやな顔なんかしなくて、むしろ「頼ってくれてありがとう」と言って、外に出て対応してくれている。


(もうこれ以上、さすがに頼っちゃだめだよね)


塩谷さんの視界に入らないようにわたしは背を向ける。
涙は人を悪者にもしてしまう。
自分が泣かせたんじゃないかって誤解を生んでしまうから乾いていないと。


レジ台下にあるティッシュ箱から一枚を取り出して、わたしはおもいっきり鼻をかんだ。


少しでもなにか役に立ちたい。


(販売スペースの掃除をしよう)


店の裏側にトイレがあって、その脇にロッカーがある。
一旦外に出ないと掃除用具を持ち出せない。
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