製菓男子。
「おねえさん、ゼンくんからお礼言われた?」
「なんのこと?」
「制服のこと」


わたしはさらに首を傾げる。


「その様子じゃ、ゼンくん忘れてそう。じゃあ、お礼しなきゃね」


「この間はありがとう」と言いながらツバサくんはわたしの手からふたつの買い物袋を取り上げた。
一瞬の出来事だったけれど、わたしの脳裏には色鮮やかに、目の前の風景とは異なる景色が浮かんできた。


(手に触れちゃったんだ!)




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