製菓男子。
(この荷物お菓子とジュースばっかり)


おねえさんの手にはひとつの買い物袋で、ぼくは残りの買い物袋を持って家まで運んでいる。
聞くとそれらは風邪で寝込んでいる家族のために買ったのだそうだ。


(おねえさんの声ってか細くて聞き取りづらいけど、一生懸命話そうとしていて、かわいいなぁ。ほっぺたピンク色。ゼンくんがどうして見とれるのか、わかるなぁ)


ゼンくんは嘘だけはつかない。
昔嘘をついて、こっぴどいことがあったと言っていた。


(教えてくれないけど)


だからあのことはたぶん、本当なんだろう。


(―――相談して、みようかな? 同じ女の子だし、男のぼくとは違った考えがありそうだし。でもどう話したらいいんだろう)


意を決するような息を、ぼくは吐いた。


「あの、その、おねえさんは占い師って聞いたんですけど、折り入って占ってほしいことがあるんです」


(どうしたらリコと前みたいな関係に戻れるのかな。リコの気持ちが見えればいいのに)





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