製菓男子。
大惨事が起こったのは、その日の夕方五時くらいだった。
十二月の空はすでに暗闇を映していて、外灯の光と露天の光が町中を明るく照らしていた。
若葉神社の参道に続くようにある商店街の道は、花火の頃になるとおしくら饅頭みたいに人でぎゅうぎゅうになる。
歩行者天国の中でも比較的狭い道だ。
児童だけで行動できるのは五時までと学校で定められ、巡回に回っている先生や保護者に見つかってしまうと厳重な注意を受ける。
宮前くんたちは約束の時間をオーバーしそうになっていて、慌てて帰っていた。
その最中にどこからか迷い込んだ赤いスポーツカーが、その歩行者天国に突っ込んだのだ。
ブレーキとアクセルを踏み間違えたようで猛然のスピードで露天を押し倒し、最終的には電信柱に激突して止まった。
死傷者は十数名だったはずだ。
その、大惨事に宮前くんが巻き込まれた。
自分より小さな男の子を突き飛ばし、守るように亡くなったのだと聞いた。
周囲はそんな彼を「英雄扱い」していたけれど、一旦葬式がはじまると「どうしてもっとちゃんと伝えなかったの!」と宮前くんの母親をはじめご家族、クラスメート、たくさんの人に責められた。
「事故自体未然に防げたんじゃないか」って。
(今まで「おおかみ少女」と呼ばれて、だれもわたしの話なんて、信じてくれなかったのに、どうしてこういうときだけ責めるの?)
けれど兄みたいな性格をしていたら、みんながわたしの話を聞いてくれていたのかもしれない。
そう思いはじめたら、全部がわたしのせいなんだと思って、謝り続けた。
見かねた親戚の方が「責める相手が違う」と諭してくれるまでずっと。
十二月の空はすでに暗闇を映していて、外灯の光と露天の光が町中を明るく照らしていた。
若葉神社の参道に続くようにある商店街の道は、花火の頃になるとおしくら饅頭みたいに人でぎゅうぎゅうになる。
歩行者天国の中でも比較的狭い道だ。
児童だけで行動できるのは五時までと学校で定められ、巡回に回っている先生や保護者に見つかってしまうと厳重な注意を受ける。
宮前くんたちは約束の時間をオーバーしそうになっていて、慌てて帰っていた。
その最中にどこからか迷い込んだ赤いスポーツカーが、その歩行者天国に突っ込んだのだ。
ブレーキとアクセルを踏み間違えたようで猛然のスピードで露天を押し倒し、最終的には電信柱に激突して止まった。
死傷者は十数名だったはずだ。
その、大惨事に宮前くんが巻き込まれた。
自分より小さな男の子を突き飛ばし、守るように亡くなったのだと聞いた。
周囲はそんな彼を「英雄扱い」していたけれど、一旦葬式がはじまると「どうしてもっとちゃんと伝えなかったの!」と宮前くんの母親をはじめご家族、クラスメート、たくさんの人に責められた。
「事故自体未然に防げたんじゃないか」って。
(今まで「おおかみ少女」と呼ばれて、だれもわたしの話なんて、信じてくれなかったのに、どうしてこういうときだけ責めるの?)
けれど兄みたいな性格をしていたら、みんながわたしの話を聞いてくれていたのかもしれない。
そう思いはじめたら、全部がわたしのせいなんだと思って、謝り続けた。
見かねた親戚の方が「責める相手が違う」と諭してくれるまでずっと。