製菓男子。
「藤波さんは、神さま? 違うでしょ」
「神さま?」
「人の気持ちを決めつけちゃだめ」
その言葉は昨日も言ったのだが、藤波さんは一向に響いていない様子だ。
だからほかの言葉を探さなくてはならない。
「―――藤波さんはすきでその体質になったの?」
「違うに決まっているじゃないですか」
聞くとこの体質は藤波さんの祖父も同じで、隔世遺伝のようなものらしい。
「だったら、やっぱり、神さまのせい」
「どうして、ですか?」
「藤波さんのその体質は、人智を超えたものだと思う。だから神さまが、なにか理由があって、授けたものなんじゃないの?」
僕は仏教徒でもクリスチャンでもない無宗教派だが、そう思わずにいられない。
「―――神さまの、せい」
藤波さんはその言葉を呟くように繰り返した。
「―――神様のせい」
藤波さんの頬が傘のような酸性の色からアルカリ色に変わっていく。
その色づいた頬が僕に向けられたものだとしたらうれしく、肩を並べて歩くのがとてももどかしいことを知った。
「神さま?」
「人の気持ちを決めつけちゃだめ」
その言葉は昨日も言ったのだが、藤波さんは一向に響いていない様子だ。
だからほかの言葉を探さなくてはならない。
「―――藤波さんはすきでその体質になったの?」
「違うに決まっているじゃないですか」
聞くとこの体質は藤波さんの祖父も同じで、隔世遺伝のようなものらしい。
「だったら、やっぱり、神さまのせい」
「どうして、ですか?」
「藤波さんのその体質は、人智を超えたものだと思う。だから神さまが、なにか理由があって、授けたものなんじゃないの?」
僕は仏教徒でもクリスチャンでもない無宗教派だが、そう思わずにいられない。
「―――神さまの、せい」
藤波さんはその言葉を呟くように繰り返した。
「―――神様のせい」
藤波さんの頬が傘のような酸性の色からアルカリ色に変わっていく。
その色づいた頬が僕に向けられたものだとしたらうれしく、肩を並べて歩くのがとてももどかしいことを知った。