製菓男子。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:゚・:,。*:..。o○☆


兄の友人たちは世間さまから一方的に騒がれる外見の持ち主が多く、そんな兄もどうしてか黄色い声援を送られることが多い。


「キャー! こっちを向いたよ!」
「相変わらずカッコイイ(ハート)」


一般会社員であるのに、芸能人と間違えられている。
もちろんその声援の送り主のほとんどが女性で、いわれない嫉妬をわたしは生まれてから二十年以上受け続けてきた。
特に酷かったのはわたしが思春期の頃、五つ年上にもかかわらず兄や兄の友人たちのうわさはどういうわけだかご近所や通っていた学校を伝播していて、


「あれが妹なの? 予想以上にブス」

(すきでこの顔に生まれたわけじゃないし)

「紹介してくれないって。ブラコン、気持ちわるいんだよ」

(「うぜーからやめろ」って言われているだけだし。わたしは断固ブラコンじゃないっ!)

「いい気になっちゃってさぁ。調子にのってんじゃねーよ」

(冷たい視線を浴びせかけられ、どうやったらその発想にたどり着くんだろう)



反論したい気持ちはやまやまだったけれど、言うとさらなる返り討ちにあうことがわかっていたから、ひたすらやりすごした。
それだけが理由ではなかったけれど、そんな日常だったから、小学校の低学年以降友達がひとりもいない。
< 4 / 236 >

この作品をシェア

pagetop