ミリオンラバー
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くそ。むしゃくしゃする。

小暮は血の味がする自分の口をゆすいだ。

傷ができているのだろう。

水が沁みて口の中全体がひりひりした。

別に自分から喧嘩を吹っかけたわけではない。

ただ売られた喧嘩は買うだけだ。

ここのところずっとむしゃくしゃしていた。

教室に入ったときに感じるクラスからの冷たい視線。

そんなに俺がめずらしいのか。

だから学校なんて来たくないんだ。

今日もサボる予定だった。

それなのに…

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