ミリオンラバー
「でも私あきらめません!きっとこの作戦で少しは私のこと見てくれると思うんです」

「確かにそれはいい作戦ね。男は胃袋をつかめって言うからね」

「胃袋…」

そんなすばらしい言葉があったなんて!

柚羽は目を輝かせた。

「お姉さん!私がんばります!」

「あはは。私、美月って言うの。」

「私、柚羽です」

「柚羽ちゃんね。そうだこれもらってもいい?」

お姉さんこと美月は柚羽が大量購入した飲み物を指した。

「え、でも荷物になりますよ」

「平気すぐそこだから。柚羽ちゃんさ、今から少し時間ある?」

「はい、大丈夫ですけど…」

「じゃあさ、お礼させて」

「別にいいですよ!お礼なんて」

「だめよ。こんなに飲み物買ってくれたのに御礼もしないんじゃ私の気がすまない。私ね、そこの裏通りでカフェやってんの。何かご馳走させて」

有無を言わさず美月は柚羽をぐいぐい引っ張った。

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