ミリオンラバー
ついたところは表通りを二筋ずれたところにある小さなカフェだった。

「さあ入って。まだお客さんそんなにいないから」

チリンと音を立てながら扉を開き二人は中へ入った。

「おかえり。ずいぶん遅かったね。何してたの?」

カウンターの中から声をかけてきたのは美月と同じ20代くらいの男性だった。

穏やかな風貌で、ふちなしの眼鏡をかけている。

馴れた手つきで料理の下準備をしていた。

「ただいま。ちょっと気分悪くなっちゃって」

「え!大丈夫なのか?」

「平気よ。この子が助けてくれたの」

柚羽を前に出しながら美月が言った。

「それはありがとう!君名前は?」

「柚羽ちゃんよ」

と柚羽が答える前に美月が言った。

「ありがとう柚羽ちゃん君は救世主だ!」

< 23 / 104 >

この作品をシェア

pagetop