あなたが教えてくれた世界
「何故かって?そうだね……うん、君たちは会ったばかりだから知らないだろうけど、オリビアとアルディス様は幼い頃からの付き合いなんだ」
馬を繰りながら、しかし声の調子は崩さず、淡々と話す。
「二人の間には、こう不思議な絆みたいなものがあってね。離れてても、オリビアがアルディス様に関して言ったことが外れたことはない」
「……」
カルロだけでなく、全員が話を黙って聞いていた。
「だから信用している……って答えじゃ、駄目かな?」
「……いえ、わかりました。ありがとうございます」
カルロがそう返事をし。
ハリスが頷いたところで、森が切れる。
夜空が、人気のない大通りが、彼らを包み込む。
ベリリーヴ侯爵邸正面門まで、もうすぐ近く。
「……さあ、すぐ襲撃だよ。このまま正面門を突き破ろう」
「……はっ!」
ハリスの声に、全員が緊張感を込めて返事をした。
門の衛兵が、彼らを見つけたらしく慌てた様子が伝わってくる。
「お前たち!止まりなさい!」
制止の声が発せられるが、一行の勢いは止まらず、彼らの間に緊張が走る。
その、頭上を、門の上を。
──ザッ
軽やかな音をたて、助走をつけ大きく跳躍したハリスの馬が跳んでいった。
その肢体に、空中に描かれた鮮やかな弧に。
衛兵たちの視線も、思わず縫い付けられる。