あなたが教えてくれた世界
そう判断すると、カルロは馬の腹を蹴り、ゆっくりと助走をつける。
飛ぶことは出来ないけれど、これくらいなら──。
徐々に勢いをつけた彼の馬は方向を変え……まっすぐ、門に向かって突っ込んだ。
馬を通じて、身体にぶつかった衝撃が伝う。
馬が、苦しそうにいなないた。
もともと外れかけていた閂は、衝撃により一層弱まっていく。
あと一押し──ぐっと、馬を急かすと、それはいとも容易く地に落ちた。
(──よし)
カルロはほくそ笑み、門の中へと進む。
ごったがえす衛兵たちを蹴散らして、道を空けていく。
そうして、先に到着していた二人のもとへ追い付いて、何事もなかったように後ろを見やった。
ブレンダは、その一連の動作をあっと言う間にし終えてしまった茶髪の男の姿を見て、考える。
(──道を、空けたというのか)
何事もないようにこなしながら、しかし門は解放され、衛兵たちも怯んだように道を空けている。
まるで、そのあとにいる彼女のために先に行ったように思えて、彼女は目を見張った。
(───考えすぎか)
頭を振ってその考えを追い払い、ふっと軽く腹を蹴って馬を進める。
堂々と待っていた三人に追い付いて、隊長に視線を送った。
「……よし、このまま玄関を破るよ」
ハリスの言葉に、三人が強い表情で頷いた。