エリート外科医の甘い独占愛

目が覚めたのは、昼過ぎ。

太陽が少し傾き始めたころだった。

夜勤のある日は、出来るだけ夜更かしをして遅く起きるようにしている。

そうすれば、夜中まで眠くなることもないのだけれど。

15時を過ぎた頃、アパートを出て病院に向かった。

廊下で卓志にすれ違ったけど、研修医と一緒だった事もあって会釈だけで通り過ぎた。

昨日、私と卓志が愛し合ったなんてことを、誰が想像できるだろうか。





こんなふうにして卓志との関係を断ち切れないまま数日が過ぎた、ある日の夜勤の日。

日勤のスタッフから申し送りを受けて、挨拶をしながら病室を回る。

それからすぐに夕食の配膳をしてから、オペの患者さんを手術室まで迎えに行った。

ただでさえ手薄になる夜間帯は、1人で抱える仕事が多くなる。

一息ついた時には、もう0時を過ぎていた。

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