みだりな逢瀬-それぞれの刹那-
まさに攻めの一手。――容姿やセンス的に勝った彼女に言われると、本当に女子力が乏しいと宣告された気分だ。
「そっか!私としたことが!
ナチュレル・ブランド背負ってるのに!」
あかねの言っていることも一理あるが、めげるほど弱くない。むしろ図太い。
それ以上に経営者への指摘はブランド・イメージに直結するではないか。
はたと気づいた瞬間、私は最近の姿を省みながら頭を抱えていたのだ。
流行には常に敏感でいよう、と下に発破をかけている人間がこれでは頂けない……。
「またソッチ?ほんと仕事バカね」
「良いの。私は私のスタンスで行くわ」
ニコッと笑って腕組みする妹に平然と返せば、フッと鼻で笑われてしまう。
「まりかちゃんのスタンスって何?着回し女王でいること?」
彼女のネーミング・センスはイマイチねと思っていたら、妹はさらに呆れた顔で歯にきぬ着せぬ発言をする。
「早く経営権放棄すれば?もう十分でしょ?若くないんだし」