奪取―[Berry's版]
「ふざけんじゃないわよ。あのね、私は喜多のストレスのはけ口じゃないのよ。セフレでもないわ。必要なら、他をあたって」

 両手を組んだまま、辛辣な言葉を口にする春花を前に。喜多は思わず苦笑した。
 ベッドから離れ、用意されていたワインを取り出し、グラスに注いだ。立ったままに、グラスに口を付け、喉を鳴らし流し込んでから。傍にあるソファーに、喜多はどさりと身体を沈めた。春花もまた、喜多に倣いソファーに腰を下ろす。隣に並ぶように。自身が口を付けたグラスを掲げ、喜多は首を傾げたが、春花はそれを断った。

「この間からヘンよ。聞かないつもりだったけれど、こんな態度を続けるつもりなら、私にも聞く権利があると思うの」
「……わるい」
「どうしたの?」 

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