奪取―[Berry's版]
「あいつが誘拐された日。本当は、俺と一緒に遊ぶ約束をしていたんだ。だが、俺は行かなかった。少し、困らせてやろうと思ったんだろう。いや……もしかしたら違う理由だったかもしれない。今となっては、理由などどうでもいいことなんだけれど……。結果、事件は起こった。どうやら、箕浪は俺が来なかったことで他の友人と一緒にいたらしいんだ。そして、友人も巻き添えられる形で、共に誘拐されてしまった。俺は思った。もしかしたら、誘拐されていたのは、俺だったかもしれない。いや、俺が約束を破ることなくその場にいたのならば、箕浪は誘拐されなかったかもしれない……ってね」
そして、箕浪が今のように、自ら作った厚くも小さく狭い世界に閉じこもることはなかったかもしれない、と。喜多が箕浪に感じている負い目は、それだった。
そして、箕浪が今のように、自ら作った厚くも小さく狭い世界に閉じこもることはなかったかもしれない、と。喜多が箕浪に感じている負い目は、それだった。