奪取―[Berry's版]
春花は思わず眉を顰める。確かに、不幸な出来事ではある。だが、それでは要点がすり替わってしまっている。重要なのは、誘拐事件が起きたと言うことだ。そこに、喜多の非がないだろうことは明らかだ。幼い頃ならまだしも、今でも喜多が背負わねばならないほども問題だろうか、と首を傾げたくなったからだ。
春花は、思ったままを口にする。
「可笑しいわよ。悪いのは、犯人でしょう?貴方が背負うことじゃないわ。誰かが貴方を責めたの?」
苦笑を浮かたままに、喜多は小さく頭を左右に振る。
「誰かも責めないさ。俺には何も非はない。箕浪も無事に帰ってきたのだから、全て忘れてしまえ。皆がそう俺に言って聞かせた。箕浪本人すら、俺を責めなかった」
春花は、思ったままを口にする。
「可笑しいわよ。悪いのは、犯人でしょう?貴方が背負うことじゃないわ。誰かが貴方を責めたの?」
苦笑を浮かたままに、喜多は小さく頭を左右に振る。
「誰かも責めないさ。俺には何も非はない。箕浪も無事に帰ってきたのだから、全て忘れてしまえ。皆がそう俺に言って聞かせた。箕浪本人すら、俺を責めなかった」