奪取―[Berry's版]
「ふーん。じゃ、今も。彼女に振られても平気ってわけ?」
喜多の眸が、三日月に形を変える。表現しがたい笑顔に、春花は知らずに距離を取っていた。背中を、不意に撫で上げられたように、身体がふるりと小さく震えた。
「時間と共に、人間の考えは変わるのが常だろう。身近な人間の幸せを目の当たりにしているせいなのか、手を伸ばせば触れられるほどの距離に近づけたせいなのか。最近の俺は酷く欲張りになった」
「まあ、惚れた相手なら。それが当たり前の感情ではあるでしょうよ」
「彼女を誰の目にも触れさせたくなくなるんだ」
「……ちょっと、犯罪にだけは手を染めないでよ」
「当たり前だろう」
喜多の眸が、三日月に形を変える。表現しがたい笑顔に、春花は知らずに距離を取っていた。背中を、不意に撫で上げられたように、身体がふるりと小さく震えた。
「時間と共に、人間の考えは変わるのが常だろう。身近な人間の幸せを目の当たりにしているせいなのか、手を伸ばせば触れられるほどの距離に近づけたせいなのか。最近の俺は酷く欲張りになった」
「まあ、惚れた相手なら。それが当たり前の感情ではあるでしょうよ」
「彼女を誰の目にも触れさせたくなくなるんだ」
「……ちょっと、犯罪にだけは手を染めないでよ」
「当たり前だろう」