奪取―[Berry's版]
終着地である指先へ辿りついた後、喜多が絹江の手を取った。酷く、愛おしいものを愛でるように、指を絡ませてから。指先へ唇を落とす。それが、左手の薬指だったことに、絹江はあえて触れず気付かぬふりをした。
徐に、両手を交差させ、喜多がシャツを脱いだ。顕になるのは、先ほど、絹江が服越しに触れた喜多の素肌。程よく、隆起のある胸を前に、絹江の心臓は更に慌しさを増す。緊張と動揺を誤魔化すために、絹江はきつく眸を閉じた。
絹江には、目の前にいる喜多が酷く、余裕綽々に見え仕方ないのだ。正直、悔しくもあった。間違いなく、喜多は多くの女性と肌を重ねてきたことだろう。大学時代から、絹江のことを好いてくれていたことは真実だとしてもだ。再会するまでの10数年間、女性関係が潔白だったとは絹江とて思わない。
徐に、両手を交差させ、喜多がシャツを脱いだ。顕になるのは、先ほど、絹江が服越しに触れた喜多の素肌。程よく、隆起のある胸を前に、絹江の心臓は更に慌しさを増す。緊張と動揺を誤魔化すために、絹江はきつく眸を閉じた。
絹江には、目の前にいる喜多が酷く、余裕綽々に見え仕方ないのだ。正直、悔しくもあった。間違いなく、喜多は多くの女性と肌を重ねてきたことだろう。大学時代から、絹江のことを好いてくれていたことは真実だとしてもだ。再会するまでの10数年間、女性関係が潔白だったとは絹江とて思わない。