奪取―[Berry's版]
 久しい行為だからなのか、喜多が触れる箇所から、快楽だけではない、愛情を感じてしまっているからなのか。判断出来はしないがとにかく。絹江が知っている快楽とは、全く違うものであることは分かった。

 喜多が、乳房に埋もれていた顔を上げる。見上げれば、絹江は固く眸を閉じ、腕を口にあて、零れる甘ったるい声を必死に殺していた。勿体無い。喜多は反射的にその腕を取り去る。変わりに、指を絹江の口に押し込んだ。
 驚き眸を見開く絹江に、喜多は言い放つ。

「声を我慢しない。俺しかいないんだ。俺が、絹江を乱してるって自覚できるよう、聞きたい。絹江の声を」

< 87 / 253 >

この作品をシェア

pagetop