奪取―[Berry's版]
 最後に、舐めてと言葉を付け加え、喜多は再び絹江の身体に顔を埋めた。正直に、絹江は差し込まれた喜多の指に舌を絡める。丁寧に、舌先で、喜多の指をなぞる。少しでも、絹江が感じているものが、喜多へ伝わればいいと思いながら。
 面倒だと、前戯などいらないとすら思っていた絹江の心が、少しずつ解けていた。気分を高めるだけではない、快楽を呼び起こす準備でもない。これは、互いの愛情を確認し、伝える行為なのだと――。

 さわさわとうろついていたはずの喜多の手が、絹江の右足を掬い上げた。突然のことに、絹江は声を上げるが。意に介すことなく、喜多は絹江の腹部にある窪みを丁寧に舐め上げ続ける。
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